アニサキスとは、魚の内臓に寄生する寄生虫で、ヒトがその魚を食べるとアニサキス胃腸炎になる可能性があります。
アニサキス胃腸炎にかかった芸能人も多く、テレビでアニサキスについて話題になることもありました。
自分には関係ないし・・と思っていても、アニサキスは割と身近な食中毒なんですよ。
この記事では、アニサキス胃腸炎の症状や、症状の期間はどれくらい続くのか、発生数が多い時期や、予防法をご紹介します。
アニサキス胃腸炎の症状は?
アニサキス胃腸炎症状はどんなものか気になりますよね。
アニサキスという寄生虫の幼虫は、長さ2~3cm、幅が0.5~1mmくらいの白色で少し太い糸のように見えます。
そんなアニサキスがヒトの体内に入ることで、アニサキス胃腸炎にかかります。
アニサキスが胃に入った場合・・・急性胃アニサキス症
食後数時間後~十数時間後に、みぞおちの激しい痛みや悪心、嘔吐を発症します。
激痛かと思えば、数分後には治まり、また激痛、といった波のある痛みが特徴です。
アニサキスが小腸にまで到達する・・・急性腸アニサキス症
食後十数時間から数日後に激しい下腹部痛や腹膜炎を生じます。
アニサキスが胃か小腸にいるかで、発症タイミングや症状が変わりますが、小腸にまで入ることは稀とのことで、大体が急性胃アニサキス症です。
魚を食べた後に、激しい腹痛があってアニサキスによる食中毒を疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
アニサキスの症状はどれくらいの期間続く?
アニサキス胃腸炎の症状がかなり辛そうですがどのくらいの期間続くのでしょう?
アニサキスの潜伏期間は1~10時間(多くは8時間)と言われていて、アニサキスはヒトの体内では生きることができないので、胃液により死滅します。
ですので、アニサキスの生存期間は4日ほどで弱ってしまい、長くても1週間で死滅します。
また、症状が軽い場合は自然で治ってしまうこともあって、ちょっとお腹が痛いとか全く症状が出ないこともあります。
もし、アニサキス胃腸炎にかかっても、治療の為に病院に行かず放置したとしてもそのうち治るようですが、激痛を何日も我慢できるかって話ですよね。
芸能人でアニサキス胃腸炎にかかった人の話を聞いたことがありますが、想像以上の激痛のようなので速やかに医療機関に行った方が良さそうです・・・。
◆アニサキスによる食中毒の痛みの特徴は?・・・こちらの記事もご覧ください。

アニサキスの発生数が多い時期は冬期!
アニサキスの発生時期は通年とされていますが、季節的に12~3月の寒い時期に発生数が多くなっています。
アニサキスによる食中毒の過去の発生状況は、
2016年:126件
2017年:242件
2018件:478件厚生労働省ホームページより引用:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000042953.html
と、年々2倍近くの数字と増え続けています。
そして、アニサキスによる食中毒は、魚介類を生で食べることから感染します。
アニサキスの幼虫は、主にサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの内臓に寄生します。
また、養殖の魚の場合は、アニサキスの心配はありません。
寄生していた魚介類が死亡し、時間がたつと内臓から筋肉にアニサキスの幼虫が移動→その魚を生食で食べる→ヒトの体内に入り腹痛を起こす
といった流れになっています。
アニサキスは通年発生している食中毒なので、魚を生で食べる時は常に注意したいですね。
アニサキスの予防はよく噛むのがいいのは本当?
気になるのは、アニサキスによる食中毒を予防する方法ですよね。
アニサキスの予防方法として、「よく噛む」という方法がネットで見受けられるのですが、本当なんでしょうか。
例えば、お刺身を食べる時に、良く噛んでアニサキスを噛み切る、ということになりますが、今のところ根拠がない情報です。
アニサキスは目視で確認できる、とはいっても長さ2~3cm、幅0.5mm~1mmというとても小さな幼虫です。
それを口の中で確実に噛み切れるかというと、難しそうじゃないですか?
そして、酢漬けや醤油、わさびをつけてもアニサキスは死滅しませんので、確実な予防方法をご紹介しますね。
- 新鮮な魚やイカを選ぶ
- 自分で釣った魚や丸ごと1匹で購入した場合はすぐに内臓を取り除く
- 内臓を生で食べない
- 目視でアニサキスがいないかを確認する
- 加熱する(60℃で1分か70℃以上だと瞬時に死滅)
- 冷凍する(-20℃で24時間以上)
お刺身で食べたい時は、冷凍する方法がおすすめです。
アニサキスのことを良く知って予防しよう! -まとめ-
アニサキスによる食中毒でアニサキス胃腸炎にかかりますがその症状は、アニサキスが胃にとどまるか小腸にとどまるかで発症タイミングや症状が違います。
アニサキス胃腸炎の症状は急性胃アニサキス症がほとんどで、みぞおちに激痛が走り、痛みに波があるのが特徴で、嘔吐はあっても下痢はありません。
アニサキスの潜伏期間の多くは8時間前後で、ヒトの体内では生きることができないので、4日~1週間で死滅します。
ですので、アニサキス胃腸炎の症状も長くても1週間というところでしょう。
また、軽症の場合はちょっとお腹が痛い程度だったり、無症状の場合もあります。
そして、アニサキスによる食中毒の予防方法として、「良く噛む」という情報が見られますが、今のところ根拠がないのでおすすめできない方法です。
アニサキスを予防するには、加熱するか冷凍するのが確実といえるでしょう。
外食や既製品を購入して食べる場合は、何らかの処理が施されている場合が大半なので、ある程度安心できるかもしれませんが、
まれにアニサキスに当たってしまう可能性もあります。
また、釣りが趣味の方は、自分で釣った魚を捌いて食べることが多いので、十分注意した方がいいですよね。
ですので、知識として知っておいても損はありませんので、この機会に知っておいて、用心するのがおすすめです。
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